2025/07/10

 PMF2025 オープニング・ナイト

2025年7月9日18:30  札幌コンサートホールKitara大ホール


指揮/カリーナ・カネラキス
PMFオーケストラ


PMFベルリン(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団メンバー) 

 アンドレアス・ブラウ(フルート)

 アレクサンダー・バーダー(クラリネット)

 サラ・ウィリス(ホルン)

 フランツ・シンドルベック(パーカッション) 


PMFウィーン(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団メンバー)

 ライナー・キュッヒル(ヴァイオリン I)

 ダニエル・フロシャウアー(ヴァイオリン II)

 ハインツ・コル(ヴィオラ)

 ペーテル・ソモダリ(チェロ)

 ミヒャエル・ブラーデラー(コントラバス)


⚫️バーンスタイン:「キャンディード」序曲


 カリーナ・カネラキス/PMFベルリン・PMFオーケストラ
 

⚫️ヨハン・シュトラウスII:オペレッタ「ウィーンのカリオストロ」序曲

              ウィーンのボンボン作品307


 PMFウィーン/PMFベルリン


⚫️シューマン:4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック 

       ヘ長調作品86


 カリーナ・カネラキス/PMFウィーン・PMFオーケストラ


 アンドリュー・ベイン(ホルン)
 シュテファン・ドール(ホルン)
 福川伸陽(ホルン)
 サラ・ウィリス(ホルン)



カリーナ・カネラキス

 2023年から始まったPMFオープニング・ナイト、過去2回と比べると来場者が多く、このコンサートが浸透して来たようだ。

 今回のPMF前半のゲストコンダクターは2012年PMF修了生のカリーナ・カネラキス。

 颯爽とした鮮やかな指揮ぶりで、動作がキビキビしていて、音楽は伸びやかな生命力を感じさせる。とてもわかりやすい音楽作りをする指揮者だ。


 オープニング・ナイト毎回恒例の「キャンディード」序曲は今までの歴代指揮者の中でも、と言ってもカネラキスで3人目だが、ひときわ切れ味の良さを感じさせる指揮者。歯切れ良く、エッジの効いた鮮やかな演奏だ。

 今日聴いた限りでは、オーケストラが奏でる音色は必ずしも美しいとは言えないが、それはこれからじっくり磨き上げていくのだろう、という期待感を感じさせた。その前半の総仕上げが12、13日のPMFオーケストラ演奏会で、これは大いに楽しみだ。


 ソリスト群はいつものウィーン・フィル、ベルリン・フィルを中心をした教授陣で、彼らが一緒に演奏したヨハン・シュトラウス2世の2曲はさすがの仕上がり。ひょっとしてこの豪華な組み合わせはPMFでしか聴けないのかもしれない。

 演奏が未熟だと聴いていられない作品だが、バランスの良さ、さりげない微妙なテンポの揺れとかニュアンスなど、さすが、と思わせた演奏。室内楽版による小編成にもかかわらず、音の薄さは全く気にさせず、聴衆を存分に楽しませてくれた。

 ライナー・キュッヒルはPMFでの勤続年数と年齢は教授陣の中ではトップクラスだろう。今日のプログラムでは、さすがの貫禄で、お見事だった。

 

 シューマンの「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック」 は有名な作品だが、4人の粒が揃わないと演奏出来ないため、意外に聴く機会は少ない。

 今日は4人ともトッププレイヤーで、これだけのソリストが揃う例も珍しいのでは。なるほどこういう作品なのだ、と思わせた達者な演奏だったが、シューマンらしいロマンティックな世界を味わう、というよりはホルンの名技を余すところなく聴かせてくれた演奏。

 多少のフェスティバル的な雰囲気を漂わせていた演奏で、カネラキスの指揮もアンサンブルとしては申し分なく見事。アンコールに第3楽章をもう一度。


 いよいよ11日からはフェスティバルが本格的始動。今年はどのような演奏を聴かせてくれるのだろうか。

(写真はいずれもPMFホームページから引用)

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。