PMF2025 オープニング・ナイト
2025年7月9日18:30 札幌コンサートホールKitara大ホール
指揮/カリーナ・カネラキス
PMFオーケストラ
PMFベルリン(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団メンバー)
アンドレアス・ブラウ(フルート)
アレクサンダー・バーダー(クラリネット)
サラ・ウィリス(ホルン)
フランツ・シンドルベック(パーカッション)
PMFウィーン(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団メンバー)
ライナー・キュッヒル(ヴァイオリン I)
ダニエル・フロシャウアー(ヴァイオリン II)
ハインツ・コル(ヴィオラ)
ペーテル・ソモダリ(チェロ)
ミヒャエル・ブラーデラー(コントラバス)
⚫️バーンスタイン:「キャンディード」序曲
カリーナ・カネラキス/PMFベルリン・PMFオーケストラ
⚫️ヨハン・シュトラウスII:オペレッタ「ウィーンのカリオストロ」序曲
ウィーンのボンボン作品307
PMFウィーン/PMFベルリン
⚫️シューマン:4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック
ヘ長調作品86
カリーナ・カネラキス/PMFウィーン・PMFオーケストラ
アンドリュー・ベイン(ホルン)
シュテファン・ドール(ホルン)
福川伸陽(ホルン)
サラ・ウィリス(ホルン)
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カリーナ・カネラキス |
2023年から始まったPMFオープニング・ナイト、過去2回と比べると来場者が多く、このコンサートが浸透して来たようだ。
今回のPMF前半のゲストコンダクターは2012年PMF修了生のカリーナ・カネラキス。
颯爽とした鮮やかな指揮ぶりで、動作がキビキビしていて、音楽は伸びやかな生命力を感じさせる。とてもわかりやすい音楽作りをする指揮者だ。
オープニング・ナイト毎回恒例の「キャンディード」序曲は今までの歴代指揮者の中でも、と言ってもカネラキスで3人目だが、ひときわ切れ味の良さを感じさせる指揮者。歯切れ良く、エッジの効いた鮮やかな演奏だ。
今日聴いた限りでは、オーケストラが奏でる音色は必ずしも美しいとは言えないが、それはこれからじっくり磨き上げていくのだろう、という期待感を感じさせた。その前半の総仕上げが12、13日のPMFオーケストラ演奏会で、これは大いに楽しみだ。
ソリスト群はいつものウィーン・フィル、ベルリン・フィルを中心をした教授陣で、彼らが一緒に演奏したヨハン・シュトラウス2世の2曲はさすがの仕上がり。ひょっとしてこの豪華な組み合わせはPMFでしか聴けないのかもしれない。
演奏が未熟だと聴いていられない作品だが、バランスの良さ、さりげない微妙なテンポの揺れとかニュアンスなど、さすが、と思わせた演奏。室内楽版による小編成にもかかわらず、音の薄さは全く気にさせず、聴衆を存分に楽しませてくれた。
ライナー・キュッヒルはPMFでの勤続年数と年齢は教授陣の中ではトップクラスだろう。今日のプログラムでは、さすがの貫禄で、お見事だった。
シューマンの「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック」 は有名な作品だが、4人の粒が揃わないと演奏出来ないため、意外に聴く機会は少ない。
今日は4人ともトッププレイヤーで、これだけのソリストが揃う例も珍しいのでは。なるほどこういう作品なのだ、と思わせた達者な演奏だったが、シューマンらしいロマンティックな世界を味わう、というよりはホルンの名技を余すところなく聴かせてくれた演奏。
多少のフェスティバル的な雰囲気を漂わせていた演奏で、カネラキスの指揮もアンサンブルとしては申し分なく見事。アンコールに第3楽章をもう一度。
いよいよ11日からはフェスティバルが本格的始動。今年はどのような演奏を聴かせてくれるのだろうか。
(写真はいずれもPMFホームページから引用)
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