札幌交響楽団hitaruシリーズ定期演奏会第25回
2026年4月30日19:00 札幌文化芸術劇場 hitaru
指揮 /円光寺 雅彦
ピアノ /松田 華音
久石譲:坂の上の雲 ― オーケストラのための
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
久石の作品は、オーケストレーションが素晴らしく、柔らかく豊穣な響きでとても聴きやすい。オーケストラの各楽器にほぼ均等に活躍の場を与え、聴き手は個々の楽器と全体のまとまりの響きを同時に味わうことができて、なかなか楽しい。久しぶりに聴く円光寺のタクトが冴え、札響から伸びやかで明るく、久石の作品を堪能するには最も相応しい響きを引き出してくれた。
ラフマニノフを弾いた松田は、前回札幌コンサートホールでの名曲シリーズでチャイコフスキー(2022年11月6日 指揮 /松本 宗利音)を聴いて以来。かなりタフなピアニストだった印象を受けたが、今回もそれは変わらない。高い音楽性とテクニックを持ち合わせ、とてもバランス感覚に優れている。オーケストラのトゥッティでもほぼ何を弾いているか聴こえてくるし、技巧的には完璧、音色も綺麗でよく歌い込まれていて申し分ない。
ただ今日は使用楽器の性格もあったのか、単音ではとても美しいのだが、ラフマニノフらしい分厚い豊かなハーモニーがちょっと痩せて聴こえてきて、よく伝わって来なかったのが残念。
オーケストラは好演。ソリストとの呼吸がたまに合わなかったようだが、総じてスケールの大きさを感じさせたいい演奏だった。
ソリストアンコールにムソルグスキー(ラフマニノフ編)/歌劇「ソロチンスクの定期市」より"ゴパック"。技巧的で華やかな作品で聞き応えがあった。
「悲愴」交響曲は、最後の楽章が素晴らしかった。弦楽器の深く心の底を抉るような歌い方、管楽器の美しい表情、コントラバスに託した次第に幕を閉じていく表情など、とても印象深く、フィナーレに相応しい表現だったといえよう。それと比較すると、第二、第三楽章など、大味で、指揮者が何を表現したいのかが、よく伝わって来ないもどかしさがあり、やや陰影の豊かさが少なく、単調になりがちだったのが残念。
しかしながら劇場いっぱいに響き渡るサウンドはとても心地よく、札幌コンサートホールで聴く札響とはまた違った魅力的なサウンドを引き出してくれた良質の公演だったとも言えよう。
コンサートマスターは田島高宏。
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