クリスマスオルガンコンサート
2021年12月18日15:00開演 札幌コンサートホールKitara大ホール
オルガン/ニコラ・プロカッチーニ
(第22代札幌コンサートホール専属オルガニスト)
指揮/大木 秀一
合唱/市立札幌旭丘高等学校、札幌山の手高等学校 合唱部
【オルガンソロ】
メンデルスゾーン/ベスト編曲:オラトリオ「聖パウロ」作品36より
序曲
J.S.バッハ:様々な手法による18のライプツィヒ・コラール集より
いざ来ませ、異邦人の救い主よ BWV 659
いざ来ませ、異邦人の救い主よ BWV 660
シューマン:ペダル•ピアノのためのスケッチ作品58よりアレグレット
モランディ:モダン•オルガンのための11のラッコルタ•ソナタより
パストラーレ
デュリュフレ:オルガン組曲作品5よりトッカータ
【オルガンと合唱】
クリスマス•メドレー:もろびとこぞりて/もみの木/サンタが街に
やってくる/O Holy Night
ハウエルズ:Sing Lullaby
アルネセン:I Will Light Candles This Christmas
クリスマス時期の定番メニューとして親しまれ、毎年来場者が多い人気のコンサート。クリスマスらしい装飾や照明による演出が場内を彩る。今年はキャンドルが増え、いい雰囲気だ。前日からの大雪で一面の冬景色となり、クリスマスコンサートらしくなった。今日はほぼ満席の来場者。
前半はオルガンソロ。今日はオルガンの鳴りが今ひとつ。原因は二点ほど考えられる。一点は、今回の大雪は湿気を多く含んでいたため開場中に場内にその影響が及んだのではないか。もう一点は、コロナ禍でクロークが休止中のため、来場者はコート類を場内に持ち込まざるを得ない。そのため響きがかなり吸収されてしまったと思われる。
クリスマスにちなんだ曲目を中心にプログラミング、中ではKitara初演となる楽しい作風のモランディのパストラーレと、デュリュフレのトッカータが華やかな技巧による多彩な表現で楽しめた。ただ、今日のプロカッチーニの演奏は、前回のデビューリサイタルほどの冴えがなく残念。メンデルスゾーンは曲全体の流れに乗り切らず不燃焼気味。バッハ、シューマンは鍵盤のタッチの浅いところで音が出ているように聴こえ、きちんと楽器が鳴りきっておらず、Kitaraオルガンの魅力ある音が伝わってこなかった。
後半は札幌旭ヶ丘高校と札幌山の手高校の両合唱部合同による定番のクリスマスソング。今年は感染予防のため、全員マウスシールドをつけての合唱だったが、そのハンディをものともしない見事な歌声。しっかりとトレーニングされた発声、きれいな音程と厚みのあるハーモニーは素晴らしい。この世代しか出せないエネルギーある若々しい声は伸びやかで実に気持ちがいい。特にソプラノの高音がほぼノンヴィブラートで音程がきちんと決まるのは、プロの合唱団でもなかなかできないクオリティの高さ。以前から、札幌の中高生の合唱のレベルが高いことは知られていたが、今日の合唱は全国に誇れるレベルだ。もっと難易度の高い作品を聴きたくなる。オルガンとのアンサンブルもよく、プロカッチーニは即興的なパッセージも加えながらの演奏で楽しかった。アンコールに「きよしこの夜」と「もみの木」。
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