オルガン プロムナード コンサート
2022年7月7日12:15 サントリーホール
オルガン/ニコラ・プロカッチーニ
J. S. バッハ:前奏曲とフーガ ト長調 BWV 541
モーツァルト:「ああお母さん、あなたに申しましょう」による
12の変奏曲(きらきら星変奏曲)K. 265 (300e)
プロカッチーニ:「たなばたさま」の歌による即興演奏
ヴィエルヌ:24の幻想曲集 組曲第3番 作品54 より
第6曲「ウェストミンスターの鐘」
Kitara専属オルガニストのサントリーホール公演。
ビジター公演の場合、当地のオルガンに慣れるためにかなりの練習時間が必要。そのハンディを考慮すると、今日のニコラは好演だったのでは。
サントリーホールのオルガンはリーガー社(オーストリア)の制作。4段鍵盤で、パイプ(5898本)やストップ(74)の数ではKitaraより一回り大きい。
音色は渋めで、個々の音色の美しさよりは、レジストレーションの妙、ミックスした音色を味わうオルガンだろう。
札幌と比較すると湿度が高い東京だけに、エアコンが効いているとは言え、やはりサウンドにやや湿気の多い感覚・空気感があるのは否定できない。
バッハはディテールがやや甘い感じがする演奏だったが、オルガンの響きと聴衆(約6割ほどの来場者か)の入ったホールのマッチングに、ニコラの戸惑いがあったのかもしれない。
モーツァルトは調子に乗り切れなかったところもあったが、時間の制約のためか、札幌(7月2日、Kitaraのバースデイでも演奏)と違い繰り返しを省略した箇所が多く、あっという間に終了。折角の名曲なので、もう少し楽しみたかったが、残念。
今日、最も印象に残ったのは、即興演奏。3曲目からステージ上のコンソール(演奏台)で演奏。流麗で、レジストレーションの選択もよく、キラキラ輝く雰囲気も出ていて、とてもきれい。作風もモダン過ぎず、クラシック過ぎず、と中々いい。このオルガニストの抜群のセンスがよく現れた演奏。オルガンの響きも良かった。
ヴィエルヌは作品全体を見通したスケール感がよく出ており、オルガンの響きも充実していて、いい演奏だった。
コンソールは、当然、オルガンとコネクトしており、ステージ上で弾いて音は上のオルガンから出る。多少違和感があるが、演奏者の様子をステージ上で見ることができるという利点がある。
このプロムナードコンサートは入場無料だが、コロナ禍以降は座席指定制。当日券は当日、携帯で申し込み、座席を指定、紙での発券はせずに受付済のメールを見せて入場可。自由に入場できるまでにはまだ時間がかかりそうだ。
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