ひろがる!つたわる!オルガンのひびき
なぞなぞパイプオルガン
2023年1月28日 14:00 札幌コンサートホールKitara大ホール
オルガン・お話/石丸 由佳
(新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあ専属オルガニスト)
J.S.バッハ:幻想曲 ハ長調 BWV570
H.マリル:カリヨン
モーツァルト:フランスの歌「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲
ハ長調 K.265(きらきら星変奏曲)より抜粋
J.シュトラウスI世:ラデツキー行進曲
伊福部 昭/和田 薫編曲:SF交響ファンタジー 第1番
終了後、ステージに降りて来て、説明に入るが、移動時もスクリーンにはオルガン内部の様子を撮影したビデオが放映され、無駄な時間が一切ない構成。
説明は台本を見ながら、話し方は朴訥でゆっくりと程良いテンポで親切丁寧。合間に入る実演は、お話の内容が確実にわかるように、時間をかけた、かつ良質の演奏だ。ステージ上の説明がほぼ30分とちょっと長めとも思ったが、場内の子供達は飽きずに聞いていたので問題なかったのだろう。
再び、ステージ上から大オルガン演奏台に戻っての演奏。この移動時に、オルガン席までのバックヤードの移動風景が、あらかじめ収録済の映像で上演され、聴衆を飽きさせない工夫がされていて、これは感心。
「カリヨン」の演奏に引き続き、「きらきら星変奏曲」では、ストップの選択と実際の様々なパイプの音色を、変奏ごとに換えて実演しながら説明。
4段鍵盤とペダル全てを使用しての演奏で、多彩なパイプの音色とそれぞれの鍵盤上での違いを表現し、これは曲目の選択がよく、とてもわかりやすかった。
「ラデツキー行進曲」は,拍手の指揮者役でステージ上にホールスタッフ2名が登場。
最後の「SF交響ファンタジー 」では、オムニパス風の作品ゆえ、今どの場面を演奏中、というメッセージが映画のワンシーンショットと共に投影され、これは気の利いた演出だった。終演が予定より10分程度オーバーしたが、場内は子供連れが多いにもかかわらず、皆大人しく鑑賞しており、これは内容が良かったためだろう。年配の夫婦連れも多く、子供だけではなく、大人も楽しめた内容だった。
ただ、最後の伊福部の作品は、ゴジラと同時代に生まれ育った団塊の世代前後には楽しめた内容だが、子供達にはどうだったのか、ちょっと不安。作品としてはもっと思い切った現代音楽の方が、例えば先日のニューイヤーコンサートで演奏された藤倉大の作品のように、反復の多い、リズミックでゲーム音楽的感覚の作品の方がより面白かったかも知れない。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。