2024/01/15

 Kitaraのニューイヤー


2024年1月13日15:00 札幌コンサートホールKitara大ホール


指揮/原田 慶太楼
ヴォーカル/シルビア・グラブ*
管弦楽/札幌交響楽団


J.シュトラウスII:トリッチ・トラッチ・ポルカ 作品214
カンダー:ミュージカル「シカゴ」より All that Jazz*
ハーライン:映画「ピノキオ」より 星に願いを*
チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」より ワルツ
メンケン:映画「美女と野獣」より 美女と野獣*
J.シュトラウスII:新ピッツィカート・ポルカ 作品449
         ポルカ「雷鳴と稲妻」作品324
         美しく青きドナウ 作品314
エプワース:映画「007 スカイフォール」より スカイフォール*
J.ウィリアムズ:映画「スター・ウォーズ」より メイン・タイトル
ソンドハイム:ミュージカル「イントゥ・ザ・ウッズ」より 

                                                                              みんなひとりじゃない*
J.シュトラウスII:喜歌劇「ジプシー男爵」より 序曲
カンダー:映画「ニューヨーク・ニューヨーク」より*




 指揮の原田はKitaraのニューイヤー初登場。 
今日のプログラムは、ゲストにヴォーカルのシルビア・グラブを迎えてのアメリカ音楽特集。それに定番のシュトラウス・メニューが間に挟まる、というアメリカで活動の基礎を築いた原田ならではのプログラムだ。 
 Kitara主催には、2021年の「Kitaraのクリスマス(2021年12月25日)」に出演している。この時の印象と今回もほぼ同じで、原田の指揮は迷いがなく、すっきりとしていて気持ちがいい。当然だが、全ての曲目をきちんと丁寧に振っており、どの作品もそれぞれわかりやすい主張がある。

 シルビア・グラブはもちろんPAを使用してのヴォーカルだが、表現力豊かで実力派、聞き応え充分。

 かつて開館間もない頃は、ここの大ホールは残響豊かなホールゆえ、PAを使用するとステージ上でのトークや歌がわかりにくく聞こえ、なかなか手ごわいホールだった。今回、久しぶりにスピーカーを通してのヴォーカルを聴いた

が、歌詞の内容もきちんと聞き取れ、オーケストラとのバランスも良好、なかなか聞きやすいいい状態だった。もちろんシルビア・グラブだったからこそだが、それ以上にこのホールを自在にコントロールするPAエンジニアの存在が大きいのはいうまでもない。

 今回の席はLC3階席で、おそらく反響板の上にスピーカーが設置されていたのだろうか、かなりダイレクトにヴォーカルが聞こえてきたが、違和感なく、PAの存在を気にせずに聴くことができた。


 指揮者もヴォーカルも前半と後半で衣装を替えての登場、お話もシンプルで楽しく、エンターティナーとしても楽しませてくれた。聴衆は、アメリカ音楽の元気の良さと、シュトラウスファミリーの柔らかい雰囲気を存分に楽しんでいるようだった。大きなくしゃみを我慢をせずに平気でする聴衆に対しても、ユーモアたっぷりに注意。

 「スター・ウォーズ」だけは管楽器のピッチがかなり高く聴こえたように思え、ちょっと気になったが、それ以外はそれぞれ楽しく鑑賞できた。

 アンコールにラデツキー行進曲。


 原田を初めて聴いたのは、2020年11月26日NHK交響楽団サントリー公演で、その時もアメリカ系の近現代の華やかな作品中心。今回はシュトラウスなどの西欧系の作品が加わり、違うレパートリーを聴くことができたが、どちらかというと今はいい意味でのユーティリティ•プレイヤーだ。次はどっしりとした作品をどのように表現するのか、ぜひ聞いてみたくなる指揮者だ。

コンサートマスターは田島高弘。

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