札響の第9
2025年12月13日17:00 札幌コンサートホールKitara大ホール
指揮 / 下野 竜也<首席客演指揮者>
ソプラノ /針生 美智子
メゾソプラノ /中島 郁子
テノール /小堀 勇介
バリトン /池内 響
Chorus /札響合唱団、札幌大谷大学芸術学部音楽学科合唱団 ほか
合唱指揮:長内勲、大嶋恵人、中原聡章
バーバ― 弦楽のためのアダージョ
ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」
12月13日、14日開催の「札響の第9」に出演を予定していた ソプラノ 中村恵理は、急病により出演ができなくなりました。 代わりに、針生美智子が出演いたします。 何卒ご了承くださいますよう、お願い申し上げます。主催者発表(12/13、13:30発表)
今年の第九は下野竜也。引き締まった演奏で、細かい箇所まで丁寧に仕上げられており、その積み重ねで全体をまとめ上げたとても立派な第九。
どの楽章も曖昧さがなく、真摯な表現で下野の特長がよく反映された落ち着いた演奏だったと言えよう。オーケストラはどのセクションも安定しており、程よい緊張感があり好演。
ソリストは、特にバリトンの池内響が豊かな声量と堂々とした明確・明瞭な表現。昨年の妻屋とはまた違った魅力があり、とても聞き応えのある見事な歌唱だった。
そのほかの歌手では、主催者発表のとおり、ソプラノを歌う予定だった中村恵理が急病で降板。急遽の代役として針生美智子が出演、まっすぐに客席に抜けてくるよく通る声と安定した歌唱ぶりで、存在感を示してくれた。
合唱は、男性陣が高音部をやや苦しげに歌っていた箇所もあったせよ、それ以外は全体的に安定したまとまりのある充実した合唱だった。
札響合唱団となってからは、いつも水準以上の合唱が聴けるようになったのはとてもうれしい。
オーケストラは音量をコントロールすることもなく力演だったのにも関わらず、ソリスト(ステージ中央奥)と合唱がとてもよく聴こえてきたのは見事。
オーケストラ、ソリスト、合唱がそれぞれ安定した演奏で、すべての声部が程よく調和し、優れたバランスで仕上げられた演奏だった。
前半にバーバーの弦楽のためのアダージョ。中庸な表現で第九同様バランスよく丁寧にまとめられたいい演奏だった。
大雪のためか、珍しく空席が多かったのが残念。
コンサートマスターは会田莉凡。

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