<Kitaraアーティスト・サポートプログラムⅠ>
ショパン・トークリーディング劇コンサート
ショパンの生涯と作品を朗読とピアノで紐解く新感覚の音楽会
2022年3月30日19:00 札幌コンサートホールKitara小ホール
ピアノ/鈴木 椋太
朗読/下司 貴大(しもつか たかひろ)
3つのエコセーズ 作品72-3.4.5
ワルツ 第15番ホ長調
ノクターン 第20番 嬰ハ短調
エチュード 第12番ハ短調「革命」 作品10
エチュード 第11番イ短調「木枯らし」 作品25
バラード 第3番変イ長調 作品47
ポロネーズ 第6番変イ長調「英雄」 作品53
プレリュード 第15番変ニ長調「雨だれ」 作品28
幻想曲 へ短調 作品28
3つのマズルカ 作品56-1.2.3
ポロネーズ 第7番変イ長調「幻想」作品61
2022年3月30日(水)開催「<Kitaraアーティスト・サポートプログラムⅠ>ショパン・トークリーディング劇コンサート」に出演を予定しておりました高井 ヒロシ(朗読)は、都合により出演ができなくなりました。つきましては、下記のとおり出演者を変更して開催いたします。何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。
【出演者変更】
高井 ヒロシ → 下司 貴大(しもつか たかひろ)
(主催者発表)
札幌コンサートホールが支援するアーティストサポートプログラムの一環で、今回は、朗読とピアノ演奏によるコンサート。
朗読者がショパンに扮し、その生涯を自ら簡潔に述べる形式で、この種のコンサートによくありがちな長い喋りがなく、短くすっきりとしている。聴衆は演奏に集中でき、とてもいい時間配分だ。
当日は配布プログラムにショパンの生涯と、演奏される作品がいつ作曲されたかが、併せて記載されており、これを事前にきちんと読んでおくと、朗読の内容がさらによく理解できる仕組みになっていたようだ。
プログラム解説はA3紙面一枚分を縦いっぱいに使って、字体も大きく(年配者にはとても優しい配慮)、読みやすく、わかりやすく簡潔にまとめられて、いい内容だと思う。
プログラムを読まずに、朗読だけ聞いた聴衆はセリフが短いので、ショパンの生涯がよく伝わらなかったかもしれないが、不明な所は配布プログラムでおさらいをすればいい。
この頃は資料がびっしり掲載された分厚いプログラムが配布される例が多いが、かえって煩わしい場合もあり、あまり親切にしすぎないことも実は大切な要素ではないか。
朗読を担当した下司はオペラ歌手としても経験豊かなので、演技も含め、安定していた。
ピアニストの鈴木は、ともかく、よく弾ける。これだけ盛り沢山のプログラムにも関わらず、破綻も弾きこぼしもほとんどないし、疲れを知らずに最後まで弾き切るタフなピアニストだ。
おそらく抜群のリズム感の持ち主なのだろう、難しい箇所でも流れに乗って一気呵成に弾き切ってしまうのはすごい。革命のエチュードや英雄ポロネーズは、その凄さが伝わってきた名演だ。
一方で叙情的な表現にも優れ、ノクターンや雨だれの前奏曲、幻想曲と幻想ポロネーズでの冒頭のゆっくりした箇所での美しい表現などは、ほかの誰からも聴くことのできない演奏だった。
ただし、それ以外では、ショパンにはもっと素敵で美しい箇所が数多くあるにもかかわらず、疾走するが如くどんどん先に進んでしまうところがあったのがとても残念。豊かな才能の持ち主だけに、作品の持つ繊細な美しさをもっと丁寧に紹介して欲しかった。
当日のピアノは通常あまり使用されていない楽器のようで、比較的地味な響き。もう少しすっきりした明るい音色で聴きたかったが、これは演奏者の好みだったのかも知れない。
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