<Kitaraアフタヌーンコンサート>
びわ湖ホール声楽アンサンブル~美しい日本の歌
2022年8月13日15:00 札幌コンサートホールKitara 大ホール
司会・独唱・合唱/びわ湖ホール声楽アンサンブル
指揮/本山 秀毅(びわ湖ホール声楽アンサンブル桂冠指揮者)
ピアノ・編曲/植松 さやか
小口太郎作詞/吉田千秋作曲:琵琶湖周航の歌
北原白秋作詞/山田耕筰作曲:この道
西條 八十作詞/服部 良一作曲:青い山脈
〈日本の四季〉
【春】土井晩翠作詞/瀧廉太郎作曲:荒城の月
【夏】江間章子作詞/中田喜直作曲:夏の思い出
【秋】サトウハチロー作詞/中田喜直作曲:ちいさい秋みつけた
【冬】内村直也作詞/中田喜直作曲:雪の降るまちを
山上路夫作詞/村井邦彦作曲:翼をください
阿久悠作詞/宮川泰作曲:宇宙戦艦ヤマト
久保田早紀作詞・作曲:異邦人 ーシルクロードのテーマー
谷村新司作詞・作曲:昴
藤井フミヤ作詞・作曲: TRUE LOVE
中島みゆき作詞・作曲:糸
売野雅勇作詞/井上大輔作曲:2億4千万の瞳ーエキゾチック・ジャパン
阿木燿子作詞/筒美京平作曲:魅せられて
松山 千春作詞・作曲:大空と大地の中で
アンジェラ・アキ作詞・作曲:手紙〜拝啓 十五の君へ〜
槇原 敬之作詞・作曲:世界に一つだけの花
今回は2度目の来札で単独公演。札幌初登場は2021年1月 11日、Kitaraのニューイヤー(指揮/沼尻竜典、札幌交響楽団。テーマはオペラティック・ニューイヤー。改装休館中のため札幌文化芸術劇場で開催)。
全員オペラでソリストを務めることができる実力を持ったプロフェッショナルの声楽アンサンブル。編成は、今回はテノールが5名の他は、ソプラノ、アルト、バス、それぞれが各4名で合計17名。びわ湖ホールの専属で、活動主体はびわ湖ホールの主催事業、主にオペラ出演だが、近年活動の幅を広げつつある。
オーディションで採用し、任期付の雇用。在任中は研修も含め、様々な場面での活動が提供されている。
Kitara主催事業では過去、多彩な合唱団が登場しているが、大ホールで、日本人合唱団だけの単独公演はおそらく今回が初めて(98年にスウェーデン放送合唱団とコレギウム・ヴォカーレが、その他の年度ではタリス・スコラーズの演奏会が大ホールであった)。
個々の歌手それぞれ声量があり、ソロとしても、アンサンブル、合唱としても完成度は申し分ない。聴いていて安心感がある。古楽のような緊張感ある合唱と違い、声そのものの豊かさの魅力を楽しむアンサンブルだ。これは指揮者の本山 秀毅の功績だろう。
プログラム前半はオーソドックスな作品を並べ、特に合唱の魅力をたっぷりと聴かせるもの。ヴィブラートがちょうど良くかかり、音程、ピッチがよく整っていて聴きやすい。表情が豊かで、日本の四季など明暗のある多彩な表情があって楽しめた。日本語の歌詞は、聴きにくい箇所も幾つかあったが、概ね発音はきれいでわかりやすかった。
後半は歌謡曲が中心で、PAを使用しての演奏。前半とは全く別の世界。このアンサンブルが歌うとオリジナルの編成よりもっと素晴らしい作品に聴こえてくる。選曲もよく、女声だけ、男声だけのアンサンブルありで、さながら豪華な組み合わせによる昭和・平成歌謡史を聴いているようだった。司会、衣装、演出は嫌味がない、程良いバランスで楽しめた。
終始しっかりとしたセンスのいい伴奏でメンバーを支え、華やかさを演出していたピアノの植松が素晴らしかった。今日の公演の立役者だ。
ホール側の育成プランがしっかりしているようで、アンサンブルで活動することによって音程やリズム感への優れた感覚が養われるのだろう。びわ湖ホールでソリストとして活躍しているシーンを何度も鑑賞してきたが、いつも素晴らしい表現で楽しませてくれている。若手育成プログラムの優れた成功例の一つだろう。
こういうプロフェッショナルの合唱団が札幌にないのが少々残念ではある。
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