〈Kitaraあ・ら・かると〉
こどもの日のオルガンコンサート
2023年5月5日14:00 札幌コンサートホールKitara大ホール
オルガン/山口 綾規
司会/古屋 瞳
イェッセル:おもちゃの兵隊の行進
モーツァルト:セレナード第13番 ト長調 K.525
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」より第1楽章
J.S.バッハ:フーガト短調BWV 578「小フーガ」
ヴィエルヌ:幻想的小品集よりウェストミンスターの鐘 作品54-6
ロジャース:「サウンド・オブ・ミュージック」より
J.ウィリアムス:「スター・ウォーズ」より メイン・タイトル
ポンキエッリ:歌劇「ラ・ジョコンダ」より時の踊り
山口綾規はKitara初登場。
レジストレーションの選択は、刺激的な響きを避けるようにバランスが良く、どの作品も優しい音色で統一。このオルガニストの節度あるオルガン音楽への嗜好が感じられ、好感の持てる演奏家だ。子供向きコンサートとしては、最適のオルガニストかもしれない。
お話しの内容は、司会の古谷含め必要最小限ですっきりしていてよかった。
ステージ上にスクリーンを配置して、オルガニストの演奏の様子を投影。こどもの日オルガンコンサートの定番メニューだが、4段鍵盤を弾き分ける様子やペダル鍵盤での足捌きなどがよくわかり、何度観ても楽しめる。
全体的に編曲プログラムが多く、その中ではポンキエッリがよく出来た編曲で面白かった。ロジャースとJ.ウィリアムスは、余計な演出効果等が一切なく、品よくまとめあげた編曲と演奏。
オルガンのオリジナル作品としてはバッハ、ヴィエルヌの2曲だけだったが、両曲とも安定した好演だった。
親しみやすい作品ばかりでよかったが、編曲物がやや多かったような気がする。もう少しオルガン音楽の醍醐味を味わえるオリジナル作品があった方が、子供たちにはいいと思った。
一方、編曲作品はレジストレーションがいつも同じパターンになりがちだったので、作品ごとにもっと大胆にレジストレーションを変えた方が聴衆は楽しめたのではないか。
ビジターのオルガニストは、一台として同じ楽器が存在しない大オルガンに素早く慣れ、演奏しなければならない。レジストレーションやペダルの感触など、短い時間に全てを把握しなければならないので、その知られざる苦労は大変だと思う。今回は、オルガンに時々不慣れなところがあり、パイプが全て鳴り切っていない箇所もあったのは、おそらく事前のリハーサル時間が少なかったのかもしれない。
アンコールにディズニーメドレー。
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