2025/03/05


札幌交響楽団第667回定期演奏会

2025年2月23日13:00  札幌コンサートホールKitara大ホール


指揮 /マティアス・バーメルト

管弦楽/札幌交響楽団


モーツァルト:セレナード第10番「グラン・パルティータ」

ブラームス:交響曲第3番



 後半のブラームスは、ステージ上の山台を使用した、以前の札響で常時使用していた方式。

 オーケストラのメンバーが後列に行くほど山台を段階的にかなり高くしていく配置で、前々回のグランディの定期時とほぼ同じのようだが、グランディの対向配置とは違って弦楽器群の配列はいつも通り。

 この山台配置、最近の定期、名曲シリーズでも、お目にかかったのはグランディの定期だけ。従って、今日の配置に馴染みがなく、やや違和感があったのは否めない。

 聴き手はしばらく落ち着かず、オーケストラ側もこの配置にまだ馴染んでいないのか、アンサンブルもややラフで、正直なところ、しばらく演奏に集中できなかったのが残念。


 特に第1楽章ではアンサンブルが乱れがちなところも多く、いつものバーメルトらしくない響きが聴こえてきて、おやどうしたのだろう、と心配に。

 第3楽章からアンサンブルも整い、音楽も生き生きとし始めてきて、終楽章でやっと安定したようだ。トータルでは待望久しいバーメルト、さすがの名演というわけには行かず、どうにもまとまりがなかったのが惜しまれる。第一日目はどうだったのだろう。


 前半の「グラン・パルティータ」は札響管楽器セクションの腕の見せ所。第3楽章あたりからまとまりのある響きが聴こえてきて、ロマンティックになり過ぎず、全体的にあっさりとした表情で楽しませてくれた。

 伸びやかな演奏でとても良いのだが、遊び心など、もう少しゆとりがあれば、もっと楽しかったのでは、と思う。

 定期公演よりはむしろ名曲シリーズで聴きたかった作品だ。

 コンサートマスターは田島高宏。

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