札幌交響楽団 第678回定期演奏会
2026年6月28日13:00 札幌コンサートホール Kitara大ホール
指揮:尾高忠明
ピアノ:清水和音
管弦楽:札幌交響楽団
グリーグ/抒情組曲
グリーグ/ピアノ協奏曲
エルガー/弦楽のためのセレナード
エルガー/エニグマ変奏曲
久しぶりの尾高、さすがの貫禄で、落ち着いた巨匠然
今日は盛り沢山のプログラムで、最初にまずグリークの叙情組曲。
冒頭ゆえまだ手探りのところもあったが、一瞬、濃厚でロマンティックな表情が聴こえてきた箇所があって、興味深かった。いつも思うのだが、これが尾高の本当の顔のような気がする。 後期ロマン派をもっと振ってくれればきっといい演奏会になると思うのだが。
グリークのピアノ協奏曲は、当初予定されていたホアキン・アチュカロが転倒による怪我のため降板、代役で清水和音が登場。他のピアニストには無い抜群の安定感で、力強い豪放な響きとかつ繊細で美しい音色による多彩な表現など、申し分ない。作品の本質をよく捉えたバランス感覚に優れた解釈で、やはり日本のピアニストの中では最高峰の一人だ。久しぶりにホールのピアノが豪快によく響き聞き応え充分。やや遅めのテンポによる堂々たる演奏で楽しませてくれた。ソリストアンコールに、ブラームスの間奏曲、op.118-2。
ホアキン・アチュカロ、再度の出演が可能になることを祈る。
後半冒頭のエルガーの弦楽セレナードは上質な響きで、尾高ならではの解釈。ディテールの仕上がりなど、ごく自然に自発的にオーケストラが表現しているように聞こえてきて、好演。
今日のメインプログラム、エニグマ変奏曲はとても良かった。尾高を聴く楽しみの一つは、オーケストラから引き出す彼ならではの豊かな響き。今日もその豊かで柔らかい響きは健在で、それに加えてきめ細かい繊細な表情が印象的で、ダイナミックさと繊細さが見事に調和した、魅力的な演奏だった。
後半、同じ作曲家ばかり続けて聴くと、他の指揮者だと食傷気味になるが、そこはさすがエルガーの伝道師尾高、作品ごとの表情の変化や対比が豊かで、普段はなかなか気がつかないエルガーの様々な顔を紹介してくれた。
コンサートマスターは会田莉凡。
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