2026/07/10

 PMFウィーン演奏会


2026年7月9日19:00 札幌コンサートホールKitara大ホール


PMFウィーン(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団メンバー)
ヤメン・サーディ(ヴァイオリン)
ダニエル・フロシャウアー(ヴァイオリン)
バルナバ・ポプラフスキ(ヴィオラ)
ペーテル・ソモダリ(チェロ)
ミヒャエル・ブラーデラー(コントラバス)

PMFオーケストラ・メンバー


◆J. シュトラウス I:ケッテンブリュッケ・ワルツ 作品4

ヤメン・サーディ(ヴァイオリン I)
ダニエル・フロシャウアー(ヴァイオリン II)
バルナバ・ポプラフスキ(ヴィオラ)
ミヒャエル・ブラーデラー(コントラバス)


◆クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース 作品6
◆リヤード・アッ=スンバティ(サーディ編):
序奏とロンガ

                    (「ロンガ・リヤード」より)

ヤメン・サーディ(ヴァイオリン)


◆ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 作品10


◆メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20

ヤメン・サーディ(ヴァイオリン I)
ダニエル・フロシャウアー(ヴァイオリン II)
バルナバ・ポプラフスキ(ヴィオラ I)
ペーテル・ソモダリ(チェロ I)

ハンナ・キム(ヴァイオリン III)

ティン・ウット・チェン(ヴァイオリン IV)

ダナ・リー(ヴィオラ II)

マシュー・ウィースト(チェロ II)



 注目はやはり初登場のヤメン・サーディだろう。前半は彼を紹介するためのプログラムで、先日のオープニングナイトでも演奏した「ケッテンブリュッケ・ワルツ」から始まり、クライスラーと珍しいエジプトの作曲家、リヤード・アッ=スンバティ(サーディ編)の小品を2曲。いずれも短いアンコールピースだが、まずは簡単な自己紹介といったところか。

 もちろんテクニックは素晴らしいが、音楽が柔軟で聴き疲れがしない。経歴を見るとイスラエル生まれで、早くからインターナショナルな教育を受けていたようで、ウィーン風の洒落っ気あるセンスの良い演奏で、生粋のウィーン人だ、と言われても誰も疑わないのではないか。


 ドビュッシーでは、リーダー役を遺憾なく発揮、的確なアンサンブルによる躍動的な演奏。常設のカルテットのように求心的で、ある一つの目標に向かって突き進む、というよりは上質の優れたアンサンブルを作り上げ、バランスなどの均整感の美を目指し、冷静客観的な解釈を聴かせることが主眼のように思えた。

 常にサーディがリーダーとなりまとめ上げていくが、全体のまとまりある響きはさすが世界のトップオーケストラメンバーだけあって、ハーモニー、バランスなどは申し分ない。また後半の二つの楽章に入ると、ドビュッシーの持つ独特の色彩感などが、張りがあるが、決してひび割れない美しい力強い音色で表現され、これはとても説得力ある見事な演奏だった。


 後半のメンデルスゾーンは、PMFオーケストラメンバーも加わっての八重奏曲。作品自体の特徴でもあるのだろうが、ファースト・ヴァイオリンのサーディが大活躍する作品。ここではPMF生も大健闘、とてもよく弾けており、メンデルスゾーン特有の、疾走する饒舌で華やかな楽想が、鮮やかに表現されスケール感あるダイナミックな演奏で楽しませてくれた。


 サーディはエネルギッシュで、どうだ、私の演奏を気に入ってくれたか、とでも言いそうな自信に満ちた雰囲気がある。才能ある若手に講師陣が若返ることはPMF学生にも聴衆にも活力を与えてくれ、これからのPMFが大いに楽しみになりそうだ。

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