札幌交響楽団 名曲シリーズ 2021-2022
森の響フレンド札響名曲コンサート
ドイツ3大B
2022年2月26日14:00 札幌コンサートホールkitara大ホール
指揮:尾高忠明
ピアノ:金子三勇士
オルガン:ニコラ・プロカッチーニ
J.S.バッハ/前奏曲とフーガ ト短調 BWV 535(オルガン独奏)
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第4番
ブラームス/交響曲 第2番
「オミクロン株に対する水際措置の強化」に伴う外国人の新規入国停止措置が2月末まで延長となったことにより、2月26日(土)開催の『名曲コンサート~ドイツ3大B』の指揮者をマックス・ポンマーから尾高忠明に変更いたします。(主催者発表)
Kitaraで聴く札響はやはりいい音がする。弦楽器の響きが豊かで、弦と管のバランスがいい。hitaru定期で気になった低弦やティンパニーの響きは、まるで違うオケのようにしっかりといい音で聴こえてきた。
今日はブラームスが良かった。多分、この作品と尾高の相性はとても良く、いい演奏が期待されるのでは、と予想していた通り。
Kitaraで長年聴き慣れた、よく歌い込まれた、豊穣で充実した音がする尾高サウンドを久しぶりに堪能。
この作品を魅力的にしている明るいロマンティシズム、豊かでまろやかな響きがするオーケストレーションなどが、全体的に実に素晴らしく表現されていた。
第一楽章の前半は弦と管がバラバラで、どうなることやら、と心配だったが、後半から響きがまとまり始め、第2楽章以降は安心して聴くことができた。細かいことを一つだけ言えば、特に、第4楽章の中間部234小節目、マーラーが彼の交響曲第一番でそっくり模倣したのではないか、と思いたくなる箇所から約30小節に及ぶピアニッシモの柔らかい表情の素晴らしさ、そこからフィナーレに至る盛り上がりと解放感の見事さは、尾高ならではの表現。
管楽器群の独創的な書法もこの交響曲の特徴の一つだが、特に要となるホルンのソロが秀逸。欲を言えば第一楽章での金管群にもう少し柔軟性があれば、と思った。
ベートーヴェンの協奏曲は、オーケストラの表情が良かった。上質の音色で、節度ある歌い方と、明確で鋭いリズム、ピアノソロとの完璧なアンサンブル、これらはベテラン指揮者の尾高ならでは。ピアノの金子は全体として好演ではあったが、緊張していたのか、前回のリサイタルほどの冴えがなく、音楽の流れに今ひとつ乗り切れなかったのが惜しい。彼ならもっといい演奏が出来るはず。次回に期待しよう。
当初予定されていたバッハのブランデンブルク協奏曲第3番がオルガンソロに変更。プロカッチー二のバッハは、いつもながらのバランスのとれた大人しいレジストレーション。これからオーケストラを聴く聴衆にとっては、導入としてちょうどいい音量だ。ただ全体的に焦点がやや甘く、もっとクリアなアーティキュレーションや、テーマが重なって音が厚くなっていくオルガンのフーガならではの緊張感がもう少しあると、作品をより楽しめたのではないか。
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