2022/02/27

<第24回リスト音楽院セミナー>

受講生コンサート


202222715:00開演 札幌コンサートホールKitara小ホール


1. 小西 杏花里
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 7 ニ長調 作品10-3 より 1楽章

2. 
竹和 ななみ
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 12 変イ長調 作品26 より 1楽章

3. 
土肥 
シューベルト:3つのピアノ曲 D946 より 1 変ホ短調

4. 
村松 海渡
シューマン:幻想曲 ハ長調 作品17より 1楽章

5. 
古川 佳奈
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 21 ハ長調 「ワルトシュタイン」 作品53     

        より第1楽章

6. 
荻原 るうか
ショパン:ポロネーズ 7 変イ長調 「幻想ポロネーズ」 作品61

7. 
西村 安奈
ラヴェル:水の戯れ

8. 
藤村 美里
セヴラック:日向で水浴びする女たち

9. 
成毛 涼香
スクリャービン:ピアノ・ソナタ 7 「白ミサ」 作品64




    昨年はコロナ禍で中止、2年ぶりのセミナーがハンガリーとオンラインで結び開講された。

 レッスンはファルカシュ教授のオンラインレッスン。音声が途切れたりのハプニングがあるにせよ、ほぼ通常と変わらない内容だが、やはり直接指導が受講可能な体制に復活できることを祈りたい。

 なお、文中特にコメントのない演奏者は大学、大学院在学中か、卒業生である。


小西 杏花里(ベートーヴェン、ソナタ 7 より 1楽章)はまだ高校生。生き生きとした抜群のリズム感で、隙がなく引き締まった秀演。素晴らしい才能。将来が多いに楽しみな逸材だ。


竹和 ななみ(ベートーヴェン、ソナタ 12 より 1楽章)はしっかりとした様式感があり、安定した演奏。変奏ごとの対比もよく表現されていた。

土肥 慶(シューベルト:3つのピアノ曲 より 1 )は歯切れよいリズム感でしっかり演奏されていて、中間部との対比も素晴らしい。一貫したテンポ感が心地良く、統一感が感じられたいい演奏。


村松 海渡(シューマン:幻想曲 ハ長調 より 1楽章)は、作品の理解度が素晴らしく、シューマンの様々な感情が見事に表現されていた。ただ聴衆にそれが充分伝わるだけの技術にやや不足していたのが惜しまれる。


古川 佳奈(ソナタ 21 ハ長調 「ワルトシュタイン」 より 1楽章)は、立派なプロフェッショナルの演奏。表現力、構成力とも申し分ない。この作品の素晴らしさが充分伝わってきた。全曲を是非聴いてみたくなる名演。


荻原 るうか(ショパン:「幻想ポロネーズ」 )は様々に変容していく楽想を見事に捉えて、作品像を丁寧にしっかり描いた演奏。


西村 安奈(ラヴェル:水の戯れ)は手堅く作品の骨格を表現した演奏。まだ高校生なので将来が楽しみ。


藤村 美里(セヴラック:日向で水浴びする女たち)は明るい表情と、クリアな音色で鮮やかに作品の表題を表現していた魅力的な演奏。古典派の作品をどのように演奏するのか、是非聴いてみたくなる。


成毛 涼香(スクリャービン:ソナタ 7 )はモダンでもクラシックでもない、錯綜するスクリャービンの世界をしっかりと表現した好演。フォルテの表現は申し分なかったので、フォルテ以下のメゾピアノ、ピアノ、ピアニッシモの表情に幅広い豊かさがあると完璧だったのではないか。

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