パイプオルガンコンサート
〜バッハからブラームスまでの教会暦に基づくコラール前奏曲〜
2024年5月25日14:00 北星学園大学チャペル(札幌市厚別区大谷地西2-3-1)
オルガン/ウィリアム・フィールディング
(第24代札幌コンサートホール専属オルガニスト)
パート1
前奏曲
J. S. バッハ:前奏曲 変ホ長調 BWV552
待降節
いざ来ませ、異邦人の救い主よ(6人の作曲家による)
スウェーリンク、ブクステフーデ、パッヘルベル、J. S. バッハ
レーガー、デュプレ
シャイデマン:神のひとり子なる主キリスト
降誕節
カーク=エラート:目覚めよ、と呼ぶ声あり
J. S. バッハ:目覚めよ、と呼ぶ声あり
ベーム:イエス・キリストよ、賛美をうけたまえ(Ⅰ)
パート2
新年
デュプレ:古き年は過ぎ去りぬ
J. S. バッハ:汝にこそわが喜びあり
四旬節
J. S. バッハ:おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け
レーガー:おお汚れなき神の小羊
ブラームス:わが心の切なる願い
復活節
デュプレ:キリストは甦りたまえり
J. S. バッハ:われらの主キリスト、ヨルダン川に来たり
カーク=エラート:コラール即興曲「我が魂よ主をほめよ」作品65-28
聖霊降臨祭
J. S. バッハ:最愛のイエス、われらここにあり
ヴェックマン:来たれ聖霊、主なる神
後奏曲
J. S. バッハ:フーガ 変ホ長調 BWV552
教会での演奏にちなみ、教会暦に従って構成したプログラム。教会暦のスタートである待降節から聖霊降臨祭までのオルガン作品が演奏された。
バッハがその中心となっているが、バロックから現代までの幅広い年代の、代表的作品が取り上げられていた。
教会暦ごとによる作品の内容の違いや、同じコラールに基づいて作曲された様々な作曲家の作品を聴き比るのは興味深い。このようなプログラミングを鑑賞する機会は意外と少ないので、今回は貴重な演奏会だった。
フィールディングの演奏が素晴らしかった。これだけ多彩な作品を見事に弾き分けることの出来るオルガニストはなかなかいないだろう。どの作品も聞き応えがあった。
全体を聴いての印象では、やはりバッハが圧倒的な存在感があり、特に最後に演奏された「フーガ変ホ長調 BWV552」が、作品に内蔵されたバッハの確固たる宗教観を示す底力のあるエネルギーが見事に表現されたスケール感ある名演だった。
ブクステフーデ、パッヘルベル、ベームと、バッハに影響を与えた作曲家の作品の性格もよく描かれていて、安定したいい演奏だった。
レーガー、ブラームスなどのドイツ系の作品はバッハの強烈な影響下にあることがよくわかり、彼らに至る時代の変遷をよく再現した演奏で面白かった。
その他で印象的だったのは、デュプレの2つの作品。透明感のある個性的な特徴をよく生かした演奏で、ドイツ系と違って、豊かなオリジナリティを感じさせた。
教会暦に従った作品群を聴いてみると、バロック時代の作品は教会の持つ大衆性と教会と人々の密着度が近現代よりもはるかに強かったことを示しているようだ。近現代になるほど人々と教会との関連性が薄くなってきたのか、あるいは、教会、聖書の様々な思想がより一般に浸透したためなのか、それらが楽曲に反映されているようにも思えた。
ここの教会のオルガンは、マナオルゲルバウ制作のパイプ数758本、2段鍵盤12ストップの中型スケールの楽器。音質がとてもきれいで、バランスの良い聴きやすいオルガンだ。建物の広さにオルガンの規模が相応しく、長時間聴いても疲れない。
調律はこの日に合わせて製造元が行ったようで、音律が美しく揃っており、ユニゾンやレジストレーションによる音の重なりなどでは、よけいなノイズがなく申し分ない。
調律法は制作者HP( http://www.manaorg.co.jp/2012a.html)によるとヴェルクマイスター第3のようだが、バッハの作品で聴こえた音列の音程の幅が均等しすぎて多少の違和感を感じた。
曲目は数多く多彩だったが、それぞれの作品の演奏時間は短く、フィールディングの日本語によるトークと15分の休憩入れて、終演は15:40だった。
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