Kitaraあ・ら・かると
~きがるにオーケストラ~
2024年5月 3日15:00 札幌コンサートホールKitara大ホール
指揮 /石﨑 真弥奈
トランペット / 児玉 隼人
オルガン /ウィリアム・フィールディング*
ショスタコーヴィチ:祝典序曲
ハチャトゥリアン:「仮面舞踏会」よりワルツ
アルチュニアン:トランペット協奏曲
外山雄三:管弦楽のためのラプソディ
伊福部昭(藤田崇文編曲):「ゴジラ」タイトル・テーマ
ニーノ・ロータ:「ゴッド・ファーザー」より愛のテーマ
ファリャ:バレエ音楽「恋は魔術師」より‟火祭りの踊り”、
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲*
レスピーギ:交響詩「ローマの祭り」より
第1部チルチェンセス、第4部主顕祭*
今回は管楽器が大活躍する明るい作品群を集めたプログラム。その管楽器群が絶好調。弦楽器とのバランスも良く、全体的にまとまりのある良質の響きがしていて、聞き応えのあるコンサートだった(今日の席は2階RB4列)。
チェロ、コントラバスは豊かに響いており、前回、札幌文化芸術劇場(2024年4月25日札響hitaruシリーズ第17回定期)で感じた低弦の物足りなさは今日は全く無く、一安心。
やはりここで聴くオーケストラの響きは格別だ。ショスタコーヴィッチやレスピーギでバンダをポディウム席のオルガン脇で演奏させるなど、色々立体感のある編成が可能なのも、ここのホールの利点だ。
今日の立役者は指揮の石崎。オーケストラを音楽性豊かに響かせる好リードで、音楽が停滞することなく、常に前向きで、今日のようなコンサートにはとても相応しい。
札響は、定期や名曲シリーズでの緊張感から解放されたように、明るく伸び伸びとした演奏。このオーケストラが持つ柔らかく、しなやかな感覚に満ちた演奏で、聴衆もリラックスして鑑賞できたのではないか。
冒頭のショスタコーヴィッチは、管楽器の明瞭な響かせ方、弦楽器とのバランスの取り方が鮮やかで冒頭に相応しい華やかな演奏だった。
ハチャトリアンは、荒削りで垢抜けないところもあったが、逆にそれがこの作品の性格に向いていたようで、面白く聴くことができた。
アルチュニアンでトランペットソロを吹いた児玉 隼人は、リズム感のいいソロを聴かせてくれ、これはとても素晴らしい才能。ソリストアンコールでは珍しいオーケストラ付きで、チャイコフスキーの「白鳥の湖」より 「ナポリの踊り」。
後半もマスカーニを除いていずれも活発な作品ばかり。これだけ元気のいい作品ばかり続くと食傷気味かとも思ったが、それぞれの作品が短く、かつ歯切れの良い演奏に仕上げてくれていたので、飽きることもなく作品を味わうことができた。
最後のレスピーギが素晴らしかった。これは指揮者のほど良いコントロールによるものだろうが、それに応えた札響が見事。特に第4部の「主顕祭」はオーケストラの演奏レベル次第で印象がかなり変わるが、単に大音響で鳴らすだけではなく、全体のバランスが終始取れていて、音楽的にも粗野にならず、安心して聴くことができた。
司会も行い、今日の石崎は大活躍。今日のプログラム以外ではどうなのかも含め、今後の活躍に大いに期待しよう。
アンコールにエルガー:行進曲「威風堂々」作品39より 有名な第1番 ニ長調。
コンサートマスターは田島高宏。
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