2025/11/09

 森の響フレンド

札幌交響楽団名曲コンサート

エリアスとウィーンへ


 2025年11月 8日14:00 札幌コンサートホールKitara大ホール

指揮/エリアス・グランディ<札響首席指揮者>

ソプラノ / 中江 早希*

管弦楽/札幌交響楽団


ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」

ヨハン・シュトラウス II ワルツ「南国のばら」

ヨハン・シュトラウス II 喜歌劇「こうもり」より”私の侯爵様”*

ヨハン・シュトラウス II ピツィカート・ポルカ(ヨーゼフ・シュトラウス共作)

ヨハン・シュトラウス II ワルツ「春の声」*

ヨハン・シュトラウス II トリッチ・トラッチ・ポルカ

ヨハン・シュトラウス II 喜歌劇「こうもり」より”田舎娘を演じる時は”*

ヨハン・シュトラウス II ワルツ「美しく青きドナウ」



「田園」交響曲は、昨年2月のhitaru定期での広上以来。今日のように、12型で、対抗配置の場合はやはりKitaraで聴く方が響きのバランスがいいようだ。

 グランディの「田園」はオーソドックスで、均整感のある落ち着いた演奏。劇的に盛り上げたり、テンポを動かしたりなど、気を衒ったところは一切ない。心地よい中庸のテンポで、ピアニッシモからフォルテッシモへ移行するディナーミクなど、音楽がごく自然に流れ、聴きやすかった。

 今日は特に弦と管のバランスがとてもよく、弦楽器のふくよかで自然な響きに管楽器セクションの伸びやかで明るいソロが程よく溶け込んで聴こえてきて、久しぶりにいい気分で鑑賞出来た「田園」だった。この指揮者の人柄の良さが伺える演奏でもあった。

 

 後半は生誕200年を記念して、ヨハン・シュトラウス II世の作品ばかりのプログラム。北海道出身の中江早希がソリストで登場。

 「私の侯爵様」と「春の声」ではまだ調子が出なかったのか、ちょっと深みのある声とリズム感は、違う国のオペラ物で本領発揮かな、という気がしながら聴いていたが、しかしソロ最後の「田舎娘」では伸びやかで表情豊かな声が聴こえてきて、満席の場内を大いに盛り上げた歌唱を披露してくれた。


 オーケストラだけのワルツ、ポルカ集では、ウィーン風のニュアンスを醸し出し、明るい雰囲気の情緒豊かな演奏で楽しませてくれた。あちこちでグランディの指示する微妙なニュアンスにオーケストラが反応し切れなかったりと、ハプニングも少なからずあったにせよ、各曲それぞれの気分をよく生かしたいい指揮ぶりだった。往々にして大雑把な演奏を聴く機会の多いシュトラウス物だが、今日のグランディは、首席指揮者の名に恥じない内容だったとも言えよう。アンコールにポルカ「雷鳴と稲妻」。

 コンサートマスターは会田莉凡。

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