2026/07/13

 PMFオーケストラ演奏会

2026年7月12日14:00 札幌コンサートホールKitara大ホール


指揮/ライアン・バンクロフト
ヴァイオリン/ヤメン・サーディ
管弦楽/PMFヨーロッパ、PMFオーケストラ


シベリウス:交響詩「タピオラ」作品112

ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ(1947年版) 



指揮者バンクロフト

  冒頭にシベリウスの「交響詩タピオラ」。
 バンクロフトが、オーケストラを丁寧に細部まで配
 した表現でまとめ上げた好演だった。
  ただ、なかなかひつすじ縄ではいかない難しさがあ
 る作品のようで、これだ、という演奏になかなか出会
 わない。
  オーケストラに高い成熟度が求められる作品でもあ
 るようだが、結成後間もないオーケストラというハン
 ディにもかかわらず、大健闘した演奏だった。

ヤメン・サーディ
  ショスタコーヴィッチのソリストは、ヤメン・ 
 サーディ。
  冷静客観的な現代風のショスタコーヴィッチで、
 クニックの素晴らしさ、的確な音楽的表現は申し分な
 い。やや線は細いが、その繊細な響き、音色はホール
 全体によく通って聴こえてくる。
  ソリスティックなパワーと迫力よりは、より高い音楽性で作品を表現するタイプの演奏だ。第一楽章のノクターンの暗い内面的表現や終楽章の華やかな外面的表現など、よく考えられた演奏。
 オーケストラはクリアな演奏をするソリストに対して、リハーサル不足なのか、輪郭がぼやけてやや曖昧な箇所があったにせよ、よくまとめ上げた演奏だったと言える。

「ペトルーシュカ」は、前半でソロを弾いたサーディがコンサートマスターで登場しタフさを見せ、かつ前半ではアカデミー生だけだった各パートにウィーン・フィルの弦楽奏者とベルリン・フィルの管楽奏者が加わり、今だけしか聴けない贅沢な編成での演奏。
 作品の編成の大きさがあるにせよ、オーケストラの響きに華やかさが加わり、これはとても聞き応えのあるいい演奏となった。要所要所のソロはほとんど教授陣が担当し、もちろんこれは万全の演奏。
 全体的にはバンクロフトのまとめ方がやや大雑把なところがあったようにも感じたが、短期間のリハーサルにもかかわらず、ここまで仕上げたのは素晴らしいといえよう。

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