オルガンミュージアムへようこそ
2022年1月22日14:00開演 札幌コンサートホールKitara大ホール
オルガン/吉村 怜子
ナビゲーター/山田 美穂
ヴィエルヌ:幻想的小品集より 太陽への賛歌 作品53-3
水の精 作品55-4
月の光 作品53-5
鬼火 作品53-6
ウェストミンスターの鐘 作品54-6
2018年から取り組んでいる子ども向けのエデュケーションプログラム。
ステージ上に大きなスクリーンを設置し、演奏作品タイトルやオルガンの演奏の様子、ナビゲータの説明資料などを投影。
今回は演奏の様子を写すメインのカメラ位置がいつもより上。そのため、4段鍵盤を弾きわける様子、カプラーが入って下鍵盤を弾くと同時に上の二つの鍵盤も連動して動く様子などが、見やすくクリアに捉えられていた。また、ペダルの演奏の様子や、やや下方から写すカメラも効果的で、映像がより工夫されている点が良かった。この視覚的効果は大きく、聴衆は皆引き込まれていたようだ。
最初に「太陽への賛歌 」が演奏され、それからナビゲーターの山田美穂とオルガニストの吉村怜子によるお話があった。二人とも「ひろがる、つたわる、オルガンのひびき」の初回からの出演者で、オルガンや作品の紹介は手慣れており、明快でわかりやすい。
演奏は安定しており、オルガン音楽の魅力をしっかり伝えてくれた。「水の精」、「鬼火」は細部までよく弾き込まれたクリアな演奏で、題名を想起させる雰囲気がよく出ていた。子供たちもイメージしやすかったのではないか。最後の「ウェストミンスターの鐘 」はスケールの大きな演奏で、映像と一緒に鑑賞するとその魅力が倍増し、とても楽しめた。
ヴィエルネだけに絞った選曲は中々良かった。近代的な響きがする作品ばかりなので、子供達には新鮮に聴こえたと思う。親子連れが多く、小学校低学年の子供達が沢山いたが、皆静かに鑑賞をしていた。
約50分のプログラム。子供向けオルガン入門コンサートとしては内容も長さもちょうどいい。大人が一人で来場していた例もいくつか見られ、ぶらりと気楽に来場する初心者向けコンサートとしても活用可能だ。
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