Kitaraのクリスマス2022
2022年12月24日15:00 札幌コンサートホールKitara大ホール
指揮/三ツ橋 敬子
ソプラノ/伊藤 晴◇
テノール/城 宏憲◆
管弦楽/札幌交響楽団
ポンキエッリ:歌劇「ジョコンダ」より 時の踊り
プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」より
見たこともない素晴らしい美人◆
おお、私は一番きれいでしょう…
あなた、あなた、愛らしい方◇◆
間奏曲
捨てられて、ひとり寂しく◇
歌劇「修道女アンジェリカ」より間奏曲
モリコーネ:映画『ミッション』より「カブリエルのオーボエ」
映画『ニュー・シネマ・パラダイス』より「愛のテーマ」
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 間奏曲
プッチーニ:交響的奇想曲
歌劇「ラ・ボエーム」より
冷たい手を◆
私の名はミミ◇
愛らしいおとめよ◇◆
アンダーソン:クリスマス・フェスティバル
毎年恒例のKitaraのクリスマス。コロナ禍は未だ落ち着きを見せないが、昨年に引き続き、無事開催。三ツ橋は堅実で、安定した音楽を聴かせ、オーケストラから無理のない、いい響きを引き出す指揮者だ。
プログラム構成はよく考えられた、バラエティーに富んだもの。
マスカーニから始まったプログラム後半が楽しめた。
マスカーニは札響からとてもきれいな音色を引き出し、ディテールを丁寧に仕上げたこの指揮者ならではの好演。
続く、珍しいプッチーニの交響的奇想曲は、15分ほどの、音楽院卒業時の若き時代の作品。プッチーニのオペラのダイジェスト版のようで、彼のどれかのオペラで聴いたようなフレーズ(ボエームの冒頭はこの作品の中間部から引用されている)や、彩豊かな響きがそっくりそのまま聴こえてくる。輝かしい未来を予感させる立派な作品だ。三ツ橋が豊かな響きでドラマティックに表現し、聞き応えのあるいい演奏だった。
ボエームからの一場面は、有名な作品だけに、やはり2人とも相当歌い込んでいるのか、前半で見られた硬さは一切無く、音楽によく馴染んだ伸びやかな声と、きめ細かい表情が素敵で、効果的で美しい照明演出も相伴い、聴衆を魅了した素晴らしい演奏だった。三ツ橋は歌をよくサポート。聴衆は今日1番の熱い拍手で出演者を讃えていた。
続く定番のアンダーソンは、この指揮者の誠実な姿勢が感じられた、遅めのテンポで、重厚に仕上げた演奏。もう少しクリスマスらしい飛び跳ねるような感覚があれば、とも感じたが、しかし、安定感のあるいい演奏だった。
前半は歌のほかに、札響団員のソロありの多彩なプログラム。
冒頭のポンキエッリは、オーケストラから自然で美しい音色を引き出した好演。
プッチーニのマノン・レスコーからの一場面は、歌手も指揮者も緊張していたのか、音楽に乗り切れず、盛り上がりが今ひとつだったが、意外と演奏されない作品だけに、貴重な鑑賞機会だった。
モリコーネでは、オーボエ首席の関と、今日のコンサートマスター、田島が秀悦なソロを披露。
照明演出は、毎年恒例の、雰囲気ある良質のもので好感が持てるが、気がつかないところで、少しずつ内容がグレードアップや変更されたりしているようだ。これを鑑賞するのも、このコンサートの楽しみの一つでもある。
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