札幌交響楽団 第675回定期演奏会
2026年3月 7日17:00 札幌コンサートホール Kitara大ホール
指揮/尾高 忠明<札響名誉音楽監督>
ピアノ /鈴木愛美<第12回 浜松国際ピアノコンクール 第1位>
シューマン:ピアノ協奏曲
エルガー :交響曲 第2番
シューマンを弾いた鈴木愛美は枠にはまらない伸びやかな感性の持ち主。楽想に応じた程よいテンポの揺れがあり、音色はきれいで歌い方が自然。
思い切りの良さもありシューマンらしい自由で飛躍するようなロマン性を強く感じさせ、個性的でいいピアニストだ。
尾高はピアニストの自由な感性を大切に暖かく見守るがごとくソリストに合わせ、オーケストラを品良く歌わせ、柔らかい響きで全体をまとめあげた上質の仕上がり。とてもいいシューマンだった。
ソリスト・アンコールのシューベルトの即興曲はやや硬さを感じさせたものの、なかなかの好演。これからの活躍が大いに楽しみだ。
エルガーの交響曲第2番、前回尾高が振る予定だったのは第659回定期演奏会(2024年2月25日13:00 )のオールエルガープログラム。このときは体調不良で降板、今回やっと公演が実現した。
この大曲をライヴで聴いてみると、作風は難解ではないが多様なモティーフが次々と、時には何度も登場し、やや入り組んでいて簡単には理解しにくい。エルガーを熟知していないとまとめずらい作品のようだ。
尾高は、長年のエルガー演奏歴とベテランらしい経験豊富な指揮ぶりで、なかなか説得力のある演奏。冒頭こそやや不安な立ち上がりだったが、次第に落ち着きを取り戻し、尾高からしか聴けない充実した自信に満ちた柔らかい響きが聴こえてきた。かなり技術的にも高い演奏機能が要求される作品だが、オーケストラの機能は申し分なく、安定した管楽器群と、指揮と作品に対する機敏な反応はとても冴えており、この作品の魅力を充分伝えてくれた素晴らしい演奏だった。
今回が札響2度目の演奏で、前回は2002年3月にやはり尾高の指揮で。残念ながら前回の演奏は聴いていないが、25年ほどの年月が過ぎ、オーケストラは別人のように演奏能力が向上しており、仕上がりは今回の方が群を抜いて良かったと思われる。全国的にも演奏回数が少ないのは、オーケストラに対する音楽的要求度の高さにあるようで、その点でも今日は貴重な機会だったともいえよう。
コンサートマスターは会田莉凡。
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