2026/10/11

 第27代札幌コンサートホール専属オルガニスト

ピエール=フランソワ・ピュルソン 

デビューリサイタル


2026年10月10日14:00 札幌コンサートホールKitara大ホール


オルガン/ピエール=フランソワ・ピュルソン

     (第27代札幌コンサートホール専属オルガニスト)


グリニー:賛歌「めでたし、海の星よ」より
     プラン・ジュ、フーガ、デュオ、グラン・ジュによるディアローグ
トゥルヌミール/デュリュフレ編曲:5つの即興曲より
     第4番「めでたし、海の星よ」による幻想即興曲
ラケ:幻想曲
フローレンツ:賞賛 作品5より 第3曲「聖母のハープ」
トゥルヌミール:神秘のオルガン「聖霊降臨節」作品57 

        第35曲 聖母被昇天より第5楽章 パラフレーズ・カリヨン
レーガー:「われらが神は堅き砦」によるコラール幻想曲 作品27
J.S.バッハ:天にいます我らの父よ BWV682
フローレンツ:賞賛 作品5 より 第7曲「光の王」



 札幌コンサートホールの専属オルガニストは、早いもので、もう27代目。今回はフランスからの招聘。

 今回のピュルソンのプログラミングはとても個性的で、おそらく、ラケ、フローレンツの「光の王」、レーガーの作品27などは札幌初演と思われる。

 我々はまた彼を通じて新しい作品に触れることが出来、これだけの幅広いオルガン作品を継続して聴くことができるのは札幌の聴衆だけの特権でもあろう。


 さて、ピュルソンはトゥルヌミールとフローレンツを核にし、それにフランス古典とドイツのバッハとレーガーを組み合わせ、作曲年代に拘らず音楽的な繋がりで構成したプログラミング。

 配布プログラムにピュルソン自身が書いているように、Kitaraオルガンの特質を余すところなく引き出す作品ばかりだ。

 古典から現代までの幅広いレパートリーだが、全体を通じて聴いてみると、どちらかというと20世紀音楽に彼の特質が発揮されているようだ。


 特に最後のフローレンツは、Kitaraのオルガンを見事に弾きこなしたダイナミックで輝かしい演奏で、このオルガンの特質を鮮やかに引き出し、聞き応えがあった。確か第20代のシモン・ボレノがフローレンツの作品5の前半の何曲かを演奏していたように記憶しているが、フローレンツを聴くのはそれ以来で、オルガンの響きをしっかり把握した個性的で興味深い作曲家を再び聴けるのはうれしい。

 グリニーとバッハの古典は歴代専属が繰り返し様々なスタイルで聴かせてくれているが、今回のピュルソンはやや単調さを感じさせるものの、楽譜を忠実に再現していく客観的なスタイルとも言える演奏。

 レーガーでは幅広いダイナミズムを、トゥルヌミールでは動きのあるキラキラと輝くモダンな響きを、それぞれKitaraオルガンから見事に引き出してくれた。

 全体的に響きが硬質で、レジストレーションの組み合わせによってはやや聴き疲れする箇所もあったが、楽器から申し分ない充実した響きを生み出しているので、これは楽器に馴染んでいくことで解決されることだろう。これからの1年間の活躍に期待しよう。


 アンコールに若くして他界した同胞を偲んで、J.S.バッハ:「深き苦しみの淵より、われ汝を呼ぶ」 BWV686。

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