2026/07/20

 PMFホストシティ•オーケストラ演奏会

2026年7月19日13:00 札幌コンサートホールKitara大ホール


指揮/アンドレアス・オッテンザマー
チェロ/上野通明*
管弦楽/札幌交響楽団(PMFホストシティ・オーケストラ)
    PMFアメリカ・メンバー**
    PMFオーケストラ・メンバー**


◆フランツ・シュレーカー:間奏曲 作品8
◆ブリテン:チェロ交響曲 作品68*
◆ドヴォルザーク:交響曲 第6番 ニ長調 作品60**



 オッテンザマーは1989年生まれのまだ30代の若手。ベルリン・フィルで首席クラリネット奏者を長く務め、その後指揮者に転向、日本ではNHK交響楽団と共演している。

 冒頭のシュレーカー(1878〜1934)の「弦楽器のための間奏曲」は1900年の作品。生没年代が示すとおり、この時代の影響を直接的に受けた後期ロマン派風の作風で、凝った和声進行など興味深い作品だ。

 オッテンザマーの指揮は屈託なく大きく作品の概要を捉え、札響弦楽器セクションから豊かな響きを引き出していたが、細部に対するこだわりがもっとあると、更なる作品の魅力を聴くことができたのではないか。



 ブリテンのチェロソロを弾いた上野通明は札響第659回定期演奏会(2024年2月25日)でエルガーチェロ協奏曲の素晴らしい演奏を披露。今日も明確な主張のある確信に満ちた解釈による演奏で聴衆を圧倒、今日の演奏会の白眉だった。各楽章ごとに多彩な表情があって、この作品のやや不可解なところを見事に解明してくれるが如き鮮やかな演奏だった。

 指揮は過不足ないサポートだったが、もう少し上野のように表情豊かなところがあっても良かったのではないか。単刀直入過ぎて音楽がやや一本調子になりがちだったのが惜しい。


 ドヴォルザークは珍しい第6番交響曲。ここではPMFアメリカとアカデミー生が加わっての、札響との合同演奏。かなりの人数が加わっての迫力のある14型編成。管楽器群などほとんどがゲストプレイヤーで、オリジナルの札響トーンではなく、どちらかというと臨時編成のやや粗っぽい響き。

 オッテンザマーは、若さみなぎる溌剌とした指揮ぶりで、スケール豊かな明るい演奏を聴かせ、聴衆を大いに沸かせた。作品の解釈云々よりは、交流を深めるための意義ある合同演奏会、という印象を受けた。

 交流演奏の趣旨であればこれで良いのだろうが、第1楽章のブラームスを想起させるモティーフや、第2楽章の哀愁を帯びた表情、第3楽章の特徴的な民族舞曲やフィナーレのダイナミックな表現など、充実した表現の楽章と単純明快過ぎて物足りない楽章とが混在し、やや戸惑いを感じさせた演奏だった。

 リハーサルの時間が充分ではなかったような演奏だったが、それにもかかわらず、全体をそつなくまとめ上げた能力はさすがと言うべきか。スケール感豊かな感性の持ち主のようなので、これからの将来に期待しよう。

(写真はPMF HPより転載)

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