PMF2024 オープニング・ナイト
2024年7月10日18:30 札幌コンサートホールKitara大ホール
バーンスタイン:「キャンディード」序曲
エリアス・グランディ(指揮)
PMFベルリン
PMFオーケストラ
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第2番 イ短調 作品13 から
I. Adagio - Allegro vivace
PMFウィーン
ライナー・キュッヒル(ヴァイオリン I)
ダニエル・フロシャウアー(ヴァイオリン II)
ハインツ・コル(ヴィオラ)
ペーテル・ソモダリ(チェロ)
ドヴォルザーク(シェーファー編):スラヴ舞曲集から
作品72-2 ホ短調
作品46-8 ト短調
PMFベルリン
アンドレアス・ブラウ(フルート)
ジョナサン・ケリー(オーボエ)
アレクサンダー・バーダー(クラリネット)
シュテファン・シュヴァイゲルト(ファゴット)
サラ・ウィリス(ホルン)
R. シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」作品20
エリアス・グランディ(指揮)
PMFウィーン
PMFオーケストラ
エリアス・グランディ ©Shervin Lainez |
冒頭のバーンスタインは、歯切れが良く早めのテンポで颯爽と、一気呵成にまとめ上げた快演。鮮やかな指揮ぶりで聴衆を沸かせた。
オーケストラは生き生きとかつ伸びやかに演奏しており、おそらくアカデミー生はとても気持ち良く演奏でき、満足しているのではないだろうか。
オーケストラとして練習を始めてまだ1週間にも満たないはずだが、若者の積極性と途方もないエネルギーを引き出し、この作品の魅力を見事に表現してくれた。この音楽祭の開幕にふさわしい抜群の仕上がりだった。
最後のR. シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」では、作品が持つ逞しいエネルギーと、一方で木管楽器のソロからは繊細で多彩な表情を引き出すなど、まるでオペラの一場面を観るような豊かな色彩感を創出。加えて弦楽器群の豊かでまろやかな表情、全体的に充実した響きと見事なテンポ感で、この作品のストーリー性を余すところなく伝えてくれた。オペラ指揮の豊かな経験が生かされた演奏だ。
結成したばかりのオーケストラとは思えない充実した演奏で、まだ学生とはいえ、高い演奏能力を持つアカデミー生達のオーケストラを短期間でまとめ上げたグランディの才能に感心。
「ドン・ファン」ではライナー・キュッヒルがコンサートマスター。さすがにソロでは年齢を感じさせ、若者のエネルギーに負けそうなところもあったが熱演。
グランディを聴くのは今回が3回目だが(初回はオペラ「カルメン」、2020年1月札幌文化芸術劇場、2回目は第649回札幌交響楽団定期演奏会、22年11月27日札幌コンサートホールKitara)、今日は今までとは違うレパートリーで好演を聴かせてくれ、以前よりその実力が向上しているようだ。
来たる13日(苫小牧)、14日(札幌コンサートホール)のPMFオーケストラ演奏会が大いに楽しみだ。さらに今年は札響第665定期(11月30、12月1日)にも登場予定、今後の活躍が多いに期待される。
これらのコンサートを聴いてみなければ明確にはわからないが、グランディは、ここ数年PMFに登場した指揮者の中では抜群の才能の持ち主のような気がする。
今日はそのほかに、ウィーンフィルの弦楽器メンバーによるメンデルスゾーンとベルリンフィル管楽器メンバーによるドヴォルザーク。ともに名手達による卓越した演奏で、11日(ベルリン)、12日(ウィーン)に予定されているそれぞれのコンサート(ともに19:00、札幌コンサートホール大ホール)の予告編。さりげなく演奏しているようだが、やはり音楽性豊かな演奏。こちらも当日の演奏が楽しみだ。
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