オルガンウィンターコンサート
2023年2月11日15:30 札幌コンサートホールKitara大ホール
オルガン/松居直美
ブクステフーデ:プレルディウム ト短調 BuxWV149
暁の星のいと美しかな BuxWV223
シューマン:ペダル・ピアノのための練習曲集 作品56より
第2番イ短調
第4番変イ長調
J.S.バッハ:わが魂は主をあがめ
マニフィカトによるフーガ オルガノ・プレノのための
BWV733
さまざまな手法による18のライプツィヒ・コラール集より
いと高きところには神にのみ栄光あれ BWV662
パッサカリア ハ短調 BWV582
ビジターのオルガニストが、Kitaraの大オルガンを弾きこなすには相当の時間が必要だが、松居はさすがベテランのオルガニスト、楽器の特徴を把握するのは早いようで、ホール内にしっかり響くいい音を聴かせてくれた。
バッハが楽しめた。音楽がよく流れていて、それが大きな一つの流れとなって全体的に大きな枠組みを作り上げていく、という演奏。
こういう演奏は、ディテールを細かく表現してそれを積み重ねる演奏とは違って、割と大味な演奏になりがちだが、そこはさすがベテラン。全体を貫くオルガンの音色がとても聴きやすく、作品の宗教的なバックボーンをよく聴衆に伝えてくれたのではないか。
レジストレーションの選択が良く、柔らかく、流麗で作品にふさわしい響きがしていたと思う。特に最初の2曲、BWV733と662がとても聴きやすい、いい演奏だった。
パッサカリアは,ペダルがややもたつき気味であったにせよ、音楽が途切れることなく,次々と変奏される多彩な表情が現れ、バッハの壮年期の力強さを感じさせた演奏。
シューマンは,これも色々なオルガニストが好んで取り上げる作品だが、しなやかで、シューマンらしいロマンティックな感性がよく反映されていた。
冒頭のブクステフーデは,演奏者も緊張していたのか、やや硬めの演奏だったが、それでもベテランらしく楽器をよく響かせていたのは、さすが。
最近のKitaraのオルガンは安定しているようだ。今日もとてもいい音がしていた。もちろんオルガニストの力量もあるが、管理状況がいいようだ。このままの状態が継続するよう期待している。
雪まつりの時期に毎年開催しているこのウィンターコンサートだが、この日もほぼ満席。オルガンコンサートで、これほど多くの来場者がいるのは、全国的にもおそらくKitaraだけだろう。
老若男女、様々な年齢層の来場者で賑わい、オルガンの音色を楽しんでいた。
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