2024/02/24

 ガーボル・ファルカシュ  ピアノリサイタル

2024年2月22日19:00  札幌コンサートホールKitara小ホール


ピアノ/ガーボル・ファルカシュ


J.S.バッハ/ペトリ編曲:カンタータ BWV208より 

              アリア「羊は安らかに草を食み」
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第13番 イ長調 D.664
リスト:ウィーンの夜会(シューベルトによる「ワルツ・カプリス」)S.427  

    より 第7番
グリュンフェルト :《ウィーンの夜会》ヨハン・シュトラウスのワルツ主題

           による演奏会用パラフレーズ 作品56

シューマン:アラベスク ハ長調 作品18

      謝肉祭 作品9




 ファルカシュは現在リスト音楽院ピアノ科主任教授。2019年から札幌コンサートホール主催のリスト音楽院セミナーに講師として参加、今年が5回目。その間、コロナ禍で演奏会が中止になり、今回がKitaraでの初リサイタルとなった。


 ファルカシュはピアノの表現能力を極限まで追求した華やかな作品を演奏して、その演奏芸術の素晴らしさを紹介する技巧派タイプの演奏家だ。

 古今の名ピアニストが若い頃は皆このタイプだったように、ちょうどファルカシュも今その時期にいるようだ。


 バッハは立体感ある多声部の表現が、シューベルトでは明確な構成感がそれぞれ印象に残ったが、楽器の響きがまだホールに馴染まず、今ひとつ調子に乗り切れなかったのが惜しい。


 次のリストからは、よく歌い込んだ深みのあるいい響きが聴こえてきて、ファルカシュの本領発揮。リスト独特の、ピアノを声楽家の如く歌わせる書法が如何に独創的な技法であるかを、如実に示してくれた演奏だ。


 グリュンフェルトは、理屈抜きに聴衆を楽しませるエンターテインメント用の作品。軽やかで躍動感のある表情がなかなか素敵で、ウィンナワルツに夢中になる当時の人々の楽しげな様子が目に浮かぶようだ。華麗なパッセージも雑にならず音楽的に美しく表現していて、全体をスケール大きく見事にまとめ上げていた名演。


 後半のシューマンでは、謝肉祭が圧巻の仕上がり。よく弾き込んでいるようで、技術的にとても安定しており、楽器が良く響いていた。

 個々の小品の性格を詳細に描くよりは、一気呵成に弾ききって全体を大きくまとめ上げて、作品のスケール感を醸し出す解釈のようだ。実際の謝肉祭を彷彿とさせる華やかさ、賑やかさがあって、楽しめた演奏だった。


 今回はリストのオリジナル作品が無かったのが残念。次回に期待しよう。

 

 アンコールが2曲、はじめにファルカシュ編曲のショパンの小犬のワルツ。これは、リストがこのようにアンコールで弾いて、聴衆を夢中にさせたのだろうな、と思わせる華麗な編曲と演奏。技術的にかなり難易度の高い編曲で、文句なしに素晴らしかった。最後にショパン/リスト編曲:6つのポーランドの歌より 第2曲 「春」。

2024/02/23

 ミクローシュ・ペレーニチェロリサイタル

2024年2月21日19:00  札幌コンサートホールKitara小ホール


チェロ/ミクローシュ・ペレーニ 
ピアノ/バラージュ・レーティ



J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第2番 二短調 BWV1008 
ダラピッコラ:シャコンヌ、間奏曲とアダージョ 
フォーレ:ピアノとチェロのためのソナタ 第1番 ニ短調 作品109 
エルド:ベートーヴェンへのオマージュ 

            〜チェロ独奏のための狂詩曲〜 作品24 
ドホナーニ:チェロ・ソナタ 変ロ長調 作品8




 冒頭のバッハは、ペレーニの円熟した、柔らかく、暖かい音楽で聴衆を包み込んでくれた名演。バランス感覚の優れた実に素晴らしいバッハだ。

 深く歌い込み、全ての音域で、むらなく美しく整った音色、柔軟で自在なボーイング、見事な調性感による美しい音程、作為的なところが一切ない自然な抑揚による表情、それらが統合されて生まれてくる見事な均整感のあるバッハは他の誰からも聴くことのできないものだ。


 続くダラピッコラは、作曲者の第2次世界大戦当時の暗い影を背負った感情とそれが浄化されていく流れを見事に表現。20世紀音楽も得意としているペレーニならではの、その時代と作品に即した多彩な表現能力の素晴らしさを示してくれた。


 ここまで無伴奏で、続くフォーレのピアノは今回が実質的な札幌デビューとなるバラージュ・レーティ。2020年からリスト音楽院セミナー講師として参加しており、演奏を披露するのは今回初めて。

 音楽的にも技術的にも伴奏者としては申し分なく、ペレーニと一体となって音楽を構築していく様子は素晴らしい。さりげなく演奏しているようで、実際は響き、音量が見事にコントロールされていて、演奏全体に統一感がある優れたピアニストだ。フォーレらしい途切れない美しい流れと、節度ある歌い方のチェロによるデュオは見事だった。


 珍しいエルドは、この作曲家の機知に富む作風の一端を示してくれた気の利いた演奏。他の作品を聴いてみたくなる演奏だ。


 最後に演奏されたドホナーニは、ピアノパートが重量感のあるヴィルトゥオーゾタイプの書法だが、レーティはかなり音量をコントロールして、ペレーニのチェロを最大限に活かすことを考慮しての演奏。

 もう少し自己主張してもいい箇所も多々あり、個人的には前半のフォーレでの音量バランスの方がより一体感があって好きだが、この見事なコントロールのおかげで、チェロのソロは全て聴こえてきた。

 ペレーニはともすれば饒舌になりがちなこの若さあふれる作品を、品よく落ち着いた奥行きの深い演奏で聴かせてくれた。作品の価値をより高める優れたデュオによる演奏だったと言える。


 アンコールが2曲あって、ドホナーニの「ハンガリー牧歌」からと、バッハの無伴奏チェロ組曲の第3番から前奏曲。バッハが心の琴線に触れるような演奏。世界第一級の名演奏を聴けた幸福な一晩だった。

2024/02/17

 札幌音楽家協議会・ハイメス 国際交流コンサート

REZONANCIA 共鳴 vol.2


2024 年2月15日19:00  ザ・ルーテルホール


共催/札幌音楽家協議会 NPO法人北海道国際音楽交流協会 

   ザ・ルーテルホール


クラリネット/ジョンボル・ダーニエル・エセニ

ソプラノ/ガリチ・ラウラ


モーツァルト :クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581
        クラリネット /ジョンボル・ダーニエル・エセニ
        ヴァイオリン /山本泰子・舩橋潤子  ヴィオラ /今井佑佳  

        チェロ /山田慶一


サン=サーンス :タランテラ Op.6
        クラリネット /ジョンボル・ダーニエル・エセニ
        フルート /高殿 幸  ピアノ /三上絵里香


シュミット :三重奏によるソナチネ Op.85
       クラリネット /ジョンボル・ダーニエル・エセニ
       フルート /細野雅子  ピアノ /高垣美加


シューベルト :岩の上の羊飼い D.965
        クラリネット /ジョンボル・ダーニエル・エセニ
        ソプラノ/ガリチ・ラウラ  ピアノ /安田実奈


メンデルスゾーン :演奏会用小品第1番 へ短調 Op.113
          クラリネット /ジョンボル・ダーニエル・エセニ
          クラリネット /高畑友香  ピアノ /西村範子




 「ハンガリーの俊英シリーズ」(2月12日)で札幌デビューし、颯爽とした快演を聴かせてくれた若干20歳のジョンボル・ダーニエル・エセニが今日は札幌市内の音楽家と共演。前回同様全て出演し、相変わらずタフで見事な演奏を聴かせてくれた。 


 前半のモーツァルトは、札幌勢の弦楽四重奏が大健闘。常設のアンサンブルではないのにも関わらず、短い期間でよくまとめあげ、表情豊かなモーツァルトを聴かせてくれた。クラリネットも生き生きと演奏していたが、お互いにもう少し熟成させる時間があればさらに深みのある演奏になっただろう。


 後半はそれぞれ札幌の管楽器とピアノのソリストが加わってのアンサンブル。クラリネットとフルートによるサン=サーンスとシュミット、クラリネット2本(オリジナルはクラリネットとバセットホルン)によるメンデルスゾーンと、ジョンボルと一緒に来札したソプラノのガリチ・ラウラ がシューベルトの「岩の上の羊飼い」を歌った。

 シューベルトを歌ったガリチは、ジョンボルと同じ20歳。表情豊かな歌を聴かせてくれた。これ一曲だけでは真価を発揮することが出来なかったようだが、将来楽しみな歌手のようだ。


 管楽器の演奏曲目は、聴く機会の少ない作品ばかりで、これは貴重。ジョンボルの精力的な演奏に刺激を受けたのか、各ソリストがソロに、アンサンブルにと共に多彩で、積極的で表情豊かな演奏を披露。それぞれの作曲家の個性がよく見えて来て、なかなか聞き応えがあった。

 中でも最後のメンデルスゾーンでの高畑がジョンボルに一歩も引けを取らず、競演していたのが特に印象に残った。


 このシリーズは昨年が第1回(2023年2月20日)で、札幌コンサートホールが招聘しているハンガリーの若手音楽家と札幌市内の音楽家が共演するプロジェクト。今後も継続することを期待している。

2024/02/13

 ハンガリーの俊英たちⅣ

ジョンボル・ダーニエル・エセニ クラリネットリサイタル


2024年2月12日15:00  札幌コンサートホールKitara小ホール


クラリネット/ジョンボル・ダーニエル・エセニ
ピアノ/横山 瑠佳(第21回リスト音楽院セミナー最優秀受講生)


コヴァーチ:ゾルタン・コダーイへのオマージュ、

ブラームス:クラリネット・ソナタ 第1番 ヘ短調 作品120-1
バルトーク:シク地方の3つの民謡 BB 45b、

コヴァーチ:マヌエル・デ・ファリャへのオマージュ

バーンスタイン:クラリネット・ソナタ


ヴェイネル:ペレギ・ヴェルブンク 作品40
ウェーバー:協奏的大二重奏曲 変ホ長調 作品48 

バルトーク:ハンガリーの風景より 第1曲 村の夕べ
プーランク:クラリネット・ソナタ FP184

ヴェイネル:2つの楽章


 

 ハンガリーの俊英たちは今年で4回目、今回はクラリネット奏者。クラリネットだけのリサイタルは少なく、滅多にない貴重な機会だ。
 しかも今日のプログラムはブラームス、ウェーバー、プーランクと言った王道と、珍しいバーンスタイン、それと祖国ハンガリーのバルトークなど多種多様で、とても興味深いラインアップだ。

 これだけ曲目が多ければ普通であれば食傷気味になるところだが、豊かな表現力とほとんどミスのない鮮やかな演奏で、最後まで聴衆を全く飽きさせない。ほぼ全体を一気呵成に演奏したような印象を受け、疲れを全く見せず、深い息遣いで最初から最後まで安定した、見事な演奏を披露してくれた。

 演奏時間はこれだけ演奏しても、終演がアンコール含め16:00を少し過ぎた頃。意外に短く感じたのは演奏の快活さ故だろう。まだ20歳だが、クラリネットのための作品はほとんど演奏し尽くしてしまったのではないか、と思わせたほどだ。

 クラリネット独特の深く歌い込まれた、弱音から最強音まで全くムラのない柔らかい音色、難なく吹いてしまう速いパッセージなど、音楽的にも、技術的にも、とてもバランス感覚に優れた演奏家で、これはやはりリスト音楽院ならではの教育の成果だろう。それにしてもこんなにタフなクラリネットを聴いたのは初めてだ。

 伴奏者の横山瑠佳は終始クラリネットに寄り添った見事な伴奏で、スケールの大きい息の長いフレーズ感で表現するジョンボルに負けずに作品を共に作り上げて行き、安定した申し分ない演奏。

 個々の作品では、珍しい無伴奏のコヴァーチェや、バルトークとヴェイネルのお国ものがやはり生き生きとした抜群のリズム感で聴かせてくれ、これは申し分なく見事。

 プーランクは洒脱な雰囲気なども素敵で、これは今まで聴いてきたこの作品の演奏の中でも、完成度の高さでは出色の出来だ。

 ウェーバーはもう少し諧謔さがあれば、とも思ったが、華やかさを感じさせた好演。

 珍しいバーンスタインは1942年の若き頃の作品で、当時の色々な作曲家の影響が聴こえてきてはいたが、それに負けない強いオリジナリティが感じられ、多彩なバーンスタイン像を聴かせてくれた好演。

 前半のブラームスはしなやかで陰影のある表現で、20歳とは思えない深みのある演奏だったが、欲を言えば、ピアノの音がまだ充分に場内に馴染んでおらず、前半よりは後半に演奏した方が、クラリネットの柔らかい響きと溶けあった、より充実した演奏になったのではないだろうか。

 アンコールにブラームスのハンガリー舞曲第4番。

 

 今週の15日にザ・ルーテルホールで札幌市内の音楽家との共演があるので、こちらも楽しみだ。


2024/02/12

 オルガンウィンターコンサート


2024年2月10日15:30  札幌コンサートホールKitara大ホール


オルガン/ウィリアム・フィールディング

      (第24代札幌コンサートホール専属オルガニスト)


フンパーディンク/フィールディング編曲:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」

                       序曲
ヴィドール:オルガン交響曲 第5番 ヘ短調 作品42-1より
              第2楽章 アレグロ・カンタービレ
フレイスン:わびしき真冬に
ドビュッシー:子供の領分より 第4曲 雪は踊る
チャイコフスキー/フィールディング編曲:組曲「くるみ割り人形」作品71a

                       より



 Kitaraのオルガンを聴くのは久しぶり。音色、調律は安定していて、状態は良好のようだ。


 今日のプログラムは冬の情景を描いた作品、あるいは冬に上演される作品を集めたもの。オリジナル曲はヴィドールとフレイスンだけで、あとは演奏者自身による編曲作品。この編曲がなかなか良かった。往々にして演奏者のテクニックを披露する場合が多いが、この人のそれは、作品に忠実であることと、Kitaraのオルガンが最もバランスよく響くように考慮されている。

 レジストレーションの使い方がよく、派手すぎず、地味過ぎず、とこのオルガニストのと誠実な音楽作りと優れたバランス感覚が感じられた。


 チャイコフスキーは、オリジナルの組曲版から「中国の踊り」と「アラビアの踊り」を除いた6曲で構成。様々な情景描写の表現、多彩な舞曲のリズム感覚は、このオルガニストの優れたセンスが感じられた好演。終曲の「花のワルツ」での原曲でのハープの歯切れ良い華麗なパッセージなどはさすがにオルガン編曲の限界を感じさせたが、レジストレーションで調整しながら上手にカバー。

 全体的にスコアを深く読み込み、丁寧に仕上げた編曲で、管楽器や弦楽器のフレーズやオーケストラ全体の響きを、次はどのように表現するのだろうか、と期待しながら鑑賞することが出来た。


 冒頭のフンパーディングは、オペラ劇中に出てくる多様なモティーフを都度ストップを変えながら表現してくれ、これはひょっとしてオーケストラ版を聴くよりもわかりやすかったかも知れない。


 フレイスンの「わびしき真冬に」(2022)はホルストの旋律による5曲の小品集。作品としては聴きやすく、わかりやすい作風で、シンプルながらも気の利いたおしゃれな雰囲気も持っている。世界初演だそうだが、意外と楽しめた佳品だった。


 そのほかにヴィドールとドビュッシー。両方とも落ち着いた雰囲気で静かな世界を表現。ドビュッシーはもう少し歯切れの良さが欲しかったが、レジストレーションを上手に活用して、雪の降る情景を見事に再現し、面白かった。

 欲を言えば、もう少しオリジナルのオルガン作品が聴きたかったが、フィールディングがKitaraオルガンからいい音色を生み出し、久しぶりにKitaraオルガンの素晴らしい響きを堪能することが出来たコンサートだった。


 今日は、そのほかにこのコンサート終了後にKitaraライトアップロビーコンサートがあり、フィールディングが今度はピアノを演奏する予定で、従ってアンコールは無し。その活躍ぶりを聴きたかったが、こちらは所用があり、残念ながら失礼した。

 場内はほぼ満席。

2024/02/10

 

札幌交響楽団hitaruシリーズ定期演奏会第16回 


2024年2月8日19:00  札幌文化芸術劇場hitaru


指揮/広上淳一

ピアノ/伊藤 恵

管弦楽/札幌交響楽団


伊福部昭:土俗的三連画

モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番

ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」



 伊福部は、14の楽器による室内オーケストラ編成で、配置がいつもと違うため、今日の席(一階22列下手側)では耳が慣れるまでちょっと時間がかかった。冒頭からやや田舎くさい響きが聴こえてきたのは、伊福部の狙いとおりだったのかも知れないが、中央に配置されたピアノの響きがその土俗的な響きを中和し、西欧風のモダンな雰囲気を呼び戻す役割を果たしているようで、この微妙な違和感がこの作品の魅力なのかも知れない。広上の指揮は、このアンバランスでローカリティあふれる土俗風雰囲気と、伊福部ならではのバイタリティあるエネルギーを誠実に表現していたのではないだろうか。


 伊藤恵のモーツァルトは、細部まで歌があって、例えば16分音符が上下するパッセージでもしなやかで柔らかく、品のある歌が聴こえてきて心地よい。左手のベースはもっとどっしり響かせる人もいるが、いつもコントロールされた深い音色で響かせるため、威圧感がない。時としてクリアさでは不満を感じさせるものの、とても豊かな音楽性が感じられ、こんなに親しみやすく、温かいモーツァルトは久しぶりだ。オーケストラととても美しく融合した響きを聴かせてくれて、この一体感はこの人ならではの素晴らしさだ。

 オーケストラは12型で、広上の指揮は手慣れたベテランの仕事ぶり。多少リハーサル不足を感じさせる荒さもあったが、この作品らしいデモーニッシュな表情も聴かせてくれるなど、聞き応えがあった。


 広上の田園は、いかにも彼らしい屈託のない表現だ。弦の表情は明るく伸びやかで、晴々とした田園風景が目に浮かぶ。今年は豊作だ、とでも言いたくなるような世界だ。14型に編成を大きくしての演奏で、弦楽器群の響きがより豊かになり、札響ならではの弦の美しさを堪能させてくれた。

 時として管楽器の響きが消されるシーンもあり、このバランスにもう少し配慮が欲しかったのと、例えば第3楽章のヴァイオリンのアーティキュレーションがちょっと曖昧になるなど、大雑把な箇所もあったにせよ、寒さを忘れさせてくれる豊穣な田園だった。

 今日はフルート首席がゲスト。やや遠慮気味にも聴こえたが、中々奥行きのあるいい演奏。ただ、フルートの首席はやはりオーケストラの要だ。早く決まると、管楽器グループの表情はより安定感を増すのではないか。

 コンサートマスターは田島高宏。